2014年5月29日

ヤマダ電機が電子書籍の信用を毀損している

ヤマダ電機が電子書籍販売のヤマダイーブックをリニューアルするらしい。それはいいのだが、旧サービスのユーザーは完全に切り捨てで、それまでに購入した書籍は読むことができず、書籍購入前のポイントも失われるらしい。

ソース: http://d.hatena.ne.jp/geromi/20140529/1401291726

この件について、まだニュースサイト等では取り上げられていないし、検索してもサービス開始当初のニュースが出てくるだけだ。つまり、それだけ注目されていなかったということなのだろうが、このやり方は電子書籍全体の信用を損なうものだ。

これまでもサービス終了で読めなくなる電子書籍ストアはいくつもあった。しかしそれらはサービスを終了して自社が顧客を失うのと引き換えに顧客へのサービス提供も終了するということだった。ローソンなどはサービス終了で不便をかけるお詫びとして購入金額の全額をポイント還元した。しかし、今回のケースでは自社は顧客を失う気はないが顧客へのサービスは終了するというなかなか身勝手なものだ。

ソニーが北米やヨーロッパで電子書籍サービスを終了したが、既存顧客の利益を尊重してサービスをkoboに引き継いでいる。自社がやめてしまっても他社に引き継ぐという選択肢があるのだから、ヤマダ電機のように自社がサービスを継続するなら既存顧客のデータを引き継ぐくらいのことはすればいいのにと思う。引き継ぐのにシステム的にコストがかかるなら、ローソンのように全額ポイント還元という方法もある。

ヤマダ電機に限らずこれからもマイナーな電子書籍ストアは閉鎖されて電子書籍市場の信用を毀損し続けるだろう。そうなった時に、残された電子書籍ストアが信用を回復するには、従来のアラカルト販売をやめて定額読み放題のサブスクリプションモデルに移行すべきだろう。サブスクリプションであればお金を払っている間だけサービスを提供するという契約だから、特定の企業がサービスを終了して書籍が読めなくなっても、同業他社がある限り他社と契約すればユーザーはサービスを受けることができる。ヤマダ電機が従来のサービスをやめてサブスクリプション型に移行するのなら良いが、それならそれで既存顧客の不安を煽る表記はいかがなものか。

この件で、「これだから電子書籍は信用できない」と思うのは間違いだ。身勝手な企業のせいで購入した書籍を読むことができなくなるのは事実だ。しかし、継続的にサービスを提供し続けようと努力している企業、やむなくサービスを終了する場合でもすでに購入した書籍を読み続けることができるよう対策する企業だってある。不信感を募らせるなら、「これだからヤマダ電機は信用できない」だ。