2011年2月25日

電子書籍市場の現状と今後

このところ iPhone 3G のリソースが不足ぎみで、 Wi-Fi 接続が非常に不安定になっています。アプリを起動していない状態では Wi-Fi に接続できますが、アプリを起動して何か操作をしていると頻繁に切断されます。

最近ではさらにひどく、モバイルデータ通信も含め、頻繁にエアラインモードにして一切の通信を切断して再接続しなければならなくなってきています。音声通話ですら、電話がかかってきて画面にタッチしてもすぐには応答できない状態です。
このため、自然と作業中に通信を要する操作は避けるようになり、電子書籍閲覧専用となりつつあります。 iPod として利用しても通信は必要ないのですが、これまたメモリ不足で音飛びが発生することがあるのです。

電子書籍専用端末として使うと、今の電子書籍の不便な部分、改善すべき部分が見えてきます。
今の日本の電子書籍に一番不足しているのは互換性でしょう。現在日本ではほとんどの書籍が XMDF または .book で販売されており、電子書籍リーダーの多くがその両方のフォーマットに対応しているにも関わらず、販売チャンネルごとの専用アプリでないと読めないというのは最大の問題です。

例えば、 iPhone 用アプリのパブリと honto は、同じベースアプリにそれぞれのブランドロゴを被せた程度の違いしかなく、対応フォーマットも同じにも関わらず、パブリで購入した本はパブリで、 honto で購入した本は honto でしか読めません。この二つの販売チャンネルでは取り扱い書籍の大部分が共通しているのですが、一部に違いがあり、どちらかでしか販売していない本を購入するためには両方のアプリが必要となります。どの本をどちらで買ったか覚えておかないと読めないのです。

現在の電子書籍市場は製作会社である巨大印刷会社と、流通会社である通信キャリアが囲い込みに必死になっているようです。このユーザーの利益を無視した動きには、すべての利益を一社で独占する体制を固めているアップルや、流通のみならず電子書籍のすべての行程で圧倒的シェアを獲得する勢いのアマゾンに対抗する意味合いもあるのでしょう。しかしこの囲い込みこそが、ユーザーに不利益をもたらし、ユーザーを電子書籍市場そのものから遠ざける原因となっているのです。

今まだ自社だけの利益や顧客の囲い込みに力を注ぐ時期ではありません。まず何よりも顧客の利便性を最優先に考え、電子書籍市場そのものを成長させることを考えるべきなのです。そうすれば今のアップルの売り上げを、そしてアマゾンの売り上げを確保したまま、他社もそれに匹敵する売り上げを確保することができ、なおかつさらに成長の余地も生まれてきます。

電子書籍市場はこれから成長していく市場です。成熟した市場で限られたパイを奪い合っているわけではありません。この市場を成長させるのも芽を摘むのも、黎明期に参入した企業の動向次第であり、彼らにはこの市場を育てていく責任があると考えています。

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