2010年7月28日

電子書籍は紙の本を真似するべきではない

この春あたりから電子書籍出版が流行していますが、多くの電子書籍は紙の本を再現することに熱心なようです。しかし、紙の本を再現するためには、現時点では電子書籍では実現できない紙の本の特徴を再現しなければいけないのです。

再生デバイス不要


紙の本は書店で買ってくればそれ単体で読むことができます。電子書籍のように何らかの再生デバイスは必要ありません。デバイス不要は現時点では無理としても、OSやハードウェアを問わず、あらゆる電子デバイスで再生できるところまでは最低限必要でしょう。

永続性


紙の本は買ってくれば一生手元においておくことができます。もちろん紛失汚損の可能性もありますが、電子書籍のデータ消失のリスクに比べれば遥かに低いものです。電子書籍の場合は、それに加えてフォーマットがかわったために新しいデバイスでは再生できなくなるなど、様々な問題を抱えています。

譲渡性


紙の本は読んで終わったあとに友人知人に貸したり、譲り渡したり、古本屋に売ったりすることができます。しかし電子書籍ではそのようなことはできません。一部の電子書籍フォーマットでは自分の所有する書籍データを友人に貸し出すことができる機能も実装されているようですが、まだ普及しているとはいえません。

以上のような紙の本の特徴をすべて電子書籍が備えたときには、紙の本はなくなり、電子書籍に置き換わることでしょう。しかし、現実にはそのようなことは夢のまた夢です。そうであれば、電子書籍は紙の本に置き換わることなど考えずに、全く新しい読書の形態として、新しい使い方を提案していくべきです。

永続性もない、譲渡性もなく資産価値もないのだから、紙の本に比べて大幅に安い価格で提供するのであれば、DRM云々といった制限も受け入れられるでしょう。

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