2009年2月18日

デジタルになってテレビの価格は上がったが放送の価値が上がったわけではないのがデジタル化が遅れている最大の理由だと思う

テレビのデジタル化が遅れているといわれているけれど、本当に遅れているのだろうか。少なくとも私の周りでは、ほぼデジタルテレビばかりになっている。少なくとも一家に一台はデジタルになっていて、アナログテレビが残っているのは残りの数台という状況になっている。

だからといってデジタルへの移行が思惑通りに進んでいるとは思わない。デジタルに買い替えた人たちも、デジタルテレビにしたいと思って変えたわけではなくて、テレビが壊れて買い替えようとしたらデジタルテレビしか売っていなかったので「仕方なく」デジタルにしたにすぎない。

私はデジタルへの移行が思惑通りに進まない最大の理由はテレビの価格が上がったからだと思う。ブラウン管テレビの頃には、パーソナル用の小型テレビならば、1万円も出せば録画機能つきのテレビデオが買えていたのに、今では5-6万円必要で、しかも録画機能がついていない。最近では少し価格がこなれてきたが、ちょっと前まではリビング用のサイズとなると10万円を超えていた。

確かにテレビのハードウェアとしての機能は向上しているし製造原価も上がっているのでハードウェアとしての価格は適正なのかもしれない。しかし消費者はテレビという機械を鑑賞するために購入するわけではない。あくまでも目的は放送の受信なのである。そして放送の内容は、アナログもデジタルも同じものなのだ。

もちろん画質は違うが、アナログの画質で満足している人にとっては、余分なお金を払って画質向上を図る必要などないのだ。その他の付加機能にしても、必要ないならお金を払いたくないのは消費者としては当然である。逆に言うと、デジタルテレビを買ったならば、ネットワークに接続してすべての機能を使いこなさなければもったいないが、果たしてどれだけのテレビがネットワークに接続されているのだろうか。アナログで満足している人に対しては、アナログテレビと同じ画質と機能で、価格も同じデジタルテレビを提供するのが一番普及に貢献するのではないだろうか。

そうなくてもテレビがおもしろくなくなったという声を聞くことがある。かくいう私もテレビなんか見ないし、持ってもいない。放送の価値が下がって、機器の価格が上がったのでは、テレビ離れを加速するだけだ。やるべきことは、放送の価値を上げることと、機器の価格を下がることの両方だろう。いろいろな付加価値をつけて価格を上げたモデルが存在する意義を否定するつもりはない。しかしそれだけでは困るのだ。頼みもしない機能をつけて価格を上げたモデルしかないならば、仕方なくそれを買う人もいるが、買わないという選択をする消費者もいることを忘れないでほしい。

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