2007年4月14日

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セブンアンドアイが nanaco を、イオンが WAON を発表したこの春は、電子マネー戦争勃発の年といえそうです。

1.プリペイド型とポストペイ型

電子マネーは大きく分けてプリペイド型とポストペイ型に分けられます。プリペイド型はあらかじめチャージした金額しか使えないタイプです。使いすぎる心配はありませんが、いざ使おうと思ったら残金がなかったということにもなります。

クレジットカード一体型のプリペイド型電子マネーの中には残金が不足するとクレジットカードからオートチャージできるものもあります。残金不足を心配しなくていい代わりに、使い過ぎには注意しないといけません。

一般的な無記名式電子マネーの場合は、現金同様所持している人が所有者と見なされることになります。したがって、落とした電子マネーを誰かに使われてしまっても、それを止める手段はありません。会員証と一対になった記名式の電子マネーの場合には所有者情報がありますから、クレジットカード同様紛失した際に利用停止にして、再発行したカードに残金を付け替えることが出来るものもあります。

ポストペイ型はクレジットカード同様後払い方式です。クレジットカードと何が違うかというと、あまり違いはありません。ポストペイ型の電子マネーはクレジットカードの子カードとして発行されるケースも多いようです。

2. Edy と iD

現在最も普及が進んでいる電子マネーは Edy といっていいでしょう。特に、全国の am/pm とサークルKサンクスで使えるので、都市部だけでなく地方でも利用できるという点は大きなメリットです。また、 ANA でも Edy を採用していますから、 ANA の飛行機が発着する空港でも Edy が使える店が多いようです。また、おサイフケータイとしても利用できる点も普及に拍車をかけているようです。

NTT ドコモが開発した iD も、 am/pm とローソンで利用できるので Edy 同様利用範囲は広くなっています。 iD はいわゆるおサイフケータイですが、三井住友 VISA カードでは iD 機能付きのクレジットカードを発行しており、このカードを持っていれば NTT ドコモのおサイフケータイ対応電話機がなくても iD を使えます。

3. 交通系電子マネー

電子マネーの導入に積極的なのは鉄道会社です。元々定期券や、磁気式のプリペイドカードを発行していた鉄道会社にしてみれば、それを単に IC カード式にしただけですから、メカ的なトラブル要因の少ない非接触 IC カード式改札機というのはそれだけでも十分魅力です。今まで定期券を利用していたユーザーも、単に磁気カード式の定期券が IC カード式になっただけですから、電子マネー導入への心理的抵抗は少なかったようで、定期券利用者を中心にあっという間に普及しました。

しかし、それぞれの鉄道会社が独自の電子マネーを導入して、しかもそれらが互換性がないのが現状です。一部には相互利用できるようになっていますが、まだまだ完全ではありません。

3.1 JR 各社の電子マネー

JR では関東の JR 東日本が Suica を、関西の JR 西日本が ICOCA を、そして中部の JR 東海が TOICA を発行しています。 Suica と ICOCA は相互利用が可能ですが、 TOICA は利用可能エリアが狭い上に現状では他の電子マネーとの相互利用が出来ないので定期券以外での利用価値が低くなっています。

3.2 私鉄の電子マネー

私鉄は大きく分けて関東地方の PASMO と関西周辺の PiTaPa に分かれます。 PASMO は Suica と、 PiTaPa は ICOCA と相互利用できますから、関東地方、あるいは関西地方だけで利用するには便利になっています。ただし、 PASMO と ICOCA, PiTaPa と Suica は相互利用できませんから、関東と関西を行き来する人は JR 系の Suica か ICOCA の方が便利です。

3.3 バスで使える電子マネー

鉄道網の発達していない地方都市での公共交通機関といえばバスですが、バスでも電子マネーの採用が始まっているようです。神姫バスの NicoPa, 岡山の Hareca, 奈良の CI-CA, 静岡の LuLuca などがありますが、いずれも PiTaPa 下位互換となっているので PiTaPa か ICOCA を持っていればそれぞれのバスで利用することが出来ます。

ただしこれらの独自電子マネーは本来の PiTaPa や、 ICOCA のエリアでは使えません。複数のエリアを行き来するなら PiTaPa や ICOCA の方が便利ですが、独自電子マネーには独自の特典が付くのでそのエリアだけで利用する人にはお得です。

4. 流通系電子マネー

そしてこの春、ついにセブンアンドアイとイオンが相次いで電子マネーに参入しました。まだ利用できる店舗は少ないようですが、端末の整備が進めば全国に店舗を持つ両社の電子マネーは利用可能店舗数では他を圧倒し、積極的なプロモーションで鉄道利用者以外にもポイントカードの代替として電子マネーが普及するきっかけになりそうです。

4.1 nanaco

セブンアンドアイの発行する nanaco は、当初はセブンイレブンでのみ利用できるようです。カードタイプの他にいわゆるおサイフケータイでも使えますが、対応しているのは NTT ドコモと au だけで、ソフトバンクには対応していないようです。

4.2 WAON

イオンの発行する WAON は、無記名式のカード型電子マネーの他に、従来のイオンカードの子カードとして発行するものと、新たにイオンカード一体型で発行するものがあります。イオンでは Suica, iD との共用端末を設置するため、 WAON の使える店では Suica や iD も使えます。いつもイオンを利用するなら特典のことを考えると WAON を使うべきですが、普段利用していなくても手持ちの Suica や iD が利用できるというのは便利ですね。

5. まとめ

電子マネーの現状は、初期のクレジットカードと同じ状況のようですね。互換性がないために使えるところと使えないところが出てきます。小銭を持ち歩かなくていい上に、ポイントなど特典が付くものが多くなっていますが、取引は全て記録されるのでプライバシーを気にする人は使うべきではありません。磁気カード式のメンバーズカード以上に消費行動を細かく把握されることになります。

セブンアンドアイやイオンでは独自の電子マネーを発行するだけでなく、他の電子マネーも使えるようにする計画もあるようですから、電子マネー間の互換性が確保されてきたときに本当の電子マネー普及時代がやってくるといってもいいでしょう。

最近では、食品スーパーでもクレジットカードで決済する人が増えてきました。以前イトーヨーカドーで買い物をしていたら、イオンカードで支払っている人がいました。ライバル会社のサービスだからといって拒絶しない顧客指向の姿勢こそ、サービス業のあるべき姿といえるでしょう。

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